ナスダック10%以上の下落
米国FRBが3月にも利上げを行うのではという見方が強まり、米国のハイテク株を中心に株価が急落していますね。
ナスダックは直近の高値からすでに10%以上の下落を記録し、名実共に「調整相場」入りしたと言われています。
利上げは借り入れコストの増大によって、企業の成長に鈍化圧力がかかり、株価も上昇しにくくなります。
また、量的緩和政策の終焉によって、市場への資金供給が止まると実力以上に値上がりした企業の株価にとって下げ圧力がかかることになります。
今回は過去の利上げ局面を振り返りながら、投資初心者が今後同様な投資行動を取り、どのような心持ちで生活するべきなのかについて解説していきたいと思います。
過去の利上げ局面
現在、市場では今年3~4回の利上げを見込んでいます。
ただし、今後の物価動向次第ではFRBがよりタカ派的な政策をとることも考えられます。
市場の予想に反して、利上げ回数の増加や利上げペースの引上げなどがアナウンスされた場合、株式市場は動揺し、大きく下落する場面も想定されます。
過去の利上げ局面を振り返ってみましょう。
米国の前回の利上げは、2015年12月です。
リーマンショック後の2008年12月に政策金利を1%から0.00%~0.25%という水準に引き下げました。
この利下げに加え、住宅ローンの担保証券の買い入れを行う量的緩和も実施しました。
この量的緩和は第2弾、第3弾と続き、最終的には2014年10月末に終了しました。
その後、1年以上に期間を置いて、利上げを行いました。
今回はコロナウイルスによるパンデミックへの対応策として政策金利を0.00%から0.25%に引き下げすると同時に、量的緩和政策も実行しました。
この量的緩和政策は2022年3月に終了し、同時に利上げを行おうとしています。
ですから、前回の利上げ時とは違いFRBはかなりハイペースに舵切りを行うこととなります。
政策金利がハイペースで引き上げられている局面では物色の矛先が変動しやすいと言われています。
すなわち、投資先を間違えるとパフォーマンスの差が大きくなりやすいということです。
いずれにしても、金利引上げの当初はほとんどの銘柄群で10%から20%程度の値下がりになっていることが多く、この程度の下落はある程度覚悟しておかないといけないとも言えます。
米国株に積立投資をしている人はどうしたらよいか
将来の資産形成のために10年スパンで積立投資をしている投資家の方であれば、今回のような調整局面でも愚直に積立を継続することが大切です。
なぜならば、金利引上げ時の株価の調整安は株価が安いタイミングで買い増しできるチャンスであるからです。
また、FRBが政策金利を引き上げるということは、緩和的政策で経済を下支えする必要がなくなったとFRB自身が自信を深めた証拠でもあります。
米国の今後の利上げはインフレ退治の側面が強いものの、その判断が間違っていなければ、経済の成長を評価した株高が期待でき、調整安は深いものにならない可能性があります。
しかし、株式市場は私たちの期待を常に裏切るものです。
ウクライナの問題や北朝鮮のミサイル発射実験など地政学リスクもありますし、常に想像を超える事象が発生するのが現代社会です。
私たちはこうした想定されない「ショック」が起こる可能性があることを忘れてはいけないと思います。
また、米国株は3年連続で2桁成長を記録しています。
ですから、ここ2,3年のような高パフォーマンスが続くということは期待しない方がいいかもしれません。
今年以降、数年は高いリターンを追求するよりも、いかに損をしない投資行動を取っていくかが重要になると思います。
20年後、30年後を見据えて、積立投資をしている投資家の皆さんは日々の下落、上昇に弄ばれることなく、何も考えずに、積立投資を続けていくべきだと思います。
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