はじめに
コロナショック以降、全世界的に株価が上昇し、投資や運用の世界に興味を持つ方が増えたのではないでしょうか。
特にここ数年、米国株投資がブームとなっていて、米国株に投資をする人が増えています。
そこで今回は米国株投資について考えていきたいと思います。
これから米国株投資を始めようとしている方や既に米国株投資を始めている方の一助になれば幸いです。
なぜ人気?米国株
なぜ米国株投資が人気なのか?その理由を4点挙げたいと思います。
- 1株式市場が一貫して右肩上がりを続けている
日本株の有名な指標である日経平均株価はバブル崩壊前の1985年から2020年の35年間で約2倍になりました。
一方、米国株の有名な指標であるS&P500は同期間の35年間で20倍になっています。
驚異的な数字ですよね。
- 2人口増が続いている
アメリカの総人口は現在、3億3千万人程度です。
出生率は減少しているものの、人口の流入が活発であり、先進国では唯一人口増加が続いています。2019年に国連が発表した世界人口予想では、2050年のアメリカの総人口は約3億8千万人になるとされています。
こうした人口の増加が生産と消費の増加を呼び込み、経済規模の拡大につながっていくことでしょう。
- 3投資家への還元意識が高く連続増配している企業が多い
米国株には長期間安定して配当を出し続けている、もしくは連続して増配している企業が沢山あります。
アメリカでは生産性と収益性の低い企業は淘汰され、市場から次々と退場していくのです。
株主を重視した経営姿勢を取る企業が多いからこそ、米国株は多くの投資家の投資対象となっています。
- 4世界的に有名な会社が多い
世界の株価時価総額ランキングを見てみるとトップ10のうち7社がアメリカの会社です。
アップル、マイクロソフト、アマゾン、アルファベット(グーグルの親会社)、フェイスブックなどが並び、皆さんがよく目にするもしくは日々生活のなかで使っている会社ばかりだと思います。
ちなみに日本企業の最上位はトヨタ自動車で38位です。
世界中でビジネスを展開し、高いブランド力を持った企業がアメリカにはそれだけ多いということです。
こうした企業は競争力が高くなり、高い収益性を確保できることになります。
このように他の国や地域に比べ、魅力的な投資先であるという認識がここ数年で広まった事で、米国株に投資をする方が増えたのではないでしょうか。
米国株一択でいいのか?
ただし、投資先をアメリカ一本に絞ってしまう行為にはいささか怖い部分もあります。
なぜならば現在のような急成長が今後もずっと続く保証はないからです。
上記の時価総額ランキングに入っているようなGAFAMなどの巨大IT企業が市場を牽引し、アメリカの有名な株価指数であるS&P500はこの10年で3倍以上に成長しました。
ごく単純に考えれば、S&P500指数に連動する投資信託やETFを2010年の時点で購入した方は現在資産が3倍以上になっていることを意味します。
一方で景気には一定のサイクルがあり、株式市場にもブームがあります。
例えば、2000年代を振り返ると、当時はBRICSと呼ばれる新興国がブームとなり、それらに関連する銘柄やファンドは大きく上昇しました。
また、1990年代にはドットコムバブルといって、社名にドットコムとついているだけで株価が上昇するといったバブル相場がありました。
さらに、1980年代には、皆さんもご存じの日本株のバブルがありました。
1989年には38,000円を超える高値を付け、「1990年には5万円を突破する」、「数年で10万円まで」などと強気な見通しが市場を覆っていました。
しかし、その後バブルは弾け、日本株は長期低迷の時代を迎えます。
このようにある一定の周期で株式市場にはブームが来ては去り、ブームが来ては去りを繰り返しているのです。
今の米国株一強時代がブームなのか後になってみないとわかりませんが、ある一定の指数や特定の国だけが一貫して20年や30年ずっと強い相場を継続している状態というのは過去を振り返るとありません。
今後、もしかすると米国よりも良い成績を残す投資先や国があるかもしれません。
最後に
上に挙げた米国株の強さの理由にあるように、20年や30年の超長期で見れば、今後も米国株が魅力的な投資先であることは変わりません。
ですから、資産形成の一つとして米国株に積立投資などを行っている人は今後も愚直に続けていくことが賢明であると思います。
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