今年に入り、グロース株が大きく値下がりしたため、バリュー株や高配当株への注目が再び高まっています。
今回は米国の高配当株ETFの代表格の一つである「VYM」について解説していこうと思います。
「高配当株ETFってなんだろう?」
「米国株やってみたいけどどんな物がいいのかな?」
「アメリカの高配当株ETFやってみたいけどどれがいいのかな?」
そんな悩みを持っている方にお送りしたいと思います。
そもそもETFって?
ETFとは上場投資信託のことで、その名の通り、上場している投資信託のことを指し、日経平均株価やNYダウといった指数に連動するように運用されています。
ETFは複数の銘柄で構成され、1つのETFを購入するだけで、分散投資が可能になります。
例えば、日経平均株価に連動するように作られたETFの場合、日経平均株価を構成する225社全てに投資するのと同じような効果が生まれます。
投資信託と同じような商品性を持っていますが、自分の好きなタイミングで投資が出来ることと、コストが安い点などが投資信託との違いです。
また、ETFの場合、投資信託とは異なり、分配金が自動的に再投資されることがないため、分配金を再投資したい場合、一度受け取ってから、自分で再投資を行う必要があります。
VYMとは
アメリカの大手運用会社であるバンガード社が販売しているETFです。
正式名称を「バンガード・米国高配当株式ETF」と言います。
米国株式市場の高配当利回り銘柄で構成されるFTSEハイディビデンド・イールド・インデックスを指標としたETFです。
バンガード社は運用総資産額750兆円を超える世界第2位の資産運用会社で、VTIやVOOといった個人投資から人気のETFを提供しています。
ちなみに世界第1位はブラックロックという会社です。
VYMも高配当株ETFとして非常に人気が高く、投資家からの信頼も厚いETFとなっています。
VYMの組み入れ銘柄数は約400社で、正式名称にもある通り、米国の高配当株式を中心に組み入れられています。
組み入れ銘柄上位10社をみると、ジョンソンエンドジョンソン、P&G、エクソンモービルなど、日本の消費者にとっても馴染みのある会社が組み入れられています。
セクター別の構成比では金融が一番大きく、約22%となっています。
次いで、消費財とヘルスケアが続き、上位3セクターで約47%を占めています。
比較的金融セクターの占める割合が大きいのが特徴ですね。
過去チャート
このチャートは2006年の11月ごろからのVYMのチャートです。
2008年頃のリーマンショックと2020年のコロナショックでは大きな下落をしていますが、基本的には右肩上がりです。
VYMは配当によるインカムゲイン(配当益)と株価の上昇によるキャピタルゲイン(売却益)も狙うことのできるETFだと言えます。
ただし、基本的に暴落局面を迎えると数年間は元の価格に戻ってこないかもしれないということと、最高値の30%~50%ぐらいは下落することがあるという心構えは持っていた方がいいと思います。
メリット、デメリット
●安定した配当
直近の配当利回りは3.45%です。
配当利回りが1%前後の個別株やETFが多いなかで、この利回りは優秀だと思います。
配当は年4回受け取ることが出来ます。
●値上がり益も狙える
5年騰落率で64%、設定来の騰落率で254%となっています。
長期的な値上がりを期待して、持ち続けることもできるETFです。
●リスク分散が可能
組み入れ銘柄数が400社と多いため、VYM1本を購入するだけで、非常に多くの業種、銘柄に分散投資が可能です。
個々に個別の銘柄を購入するよりはリスクを抑えた運用が可能になるでしょう。
●経費率が低い
VYMの経費率は0.06%とかなり低い水準にあります。
業界最安値水準の信託報酬を誇るeMAXIS Slimシリーズでも多くのファンドで管理費用は0.1%程度ですから、それらの投資信託よりもVYMのコストは安い水準に抑えられています。
●ほかの高配当EFTに比べると若干見劣りする
VYMは利回りが3%台と高水準にありますが、他の米国高配当株ETFと比べ、突出して高いというわけでもありません。
VYMよりも高い利回りを誇る高配当株ETFも存在します。
まとめ
VYMはインカムゲインとキャピタルゲインの両方を稼ぐことのできるETFとして非常に優秀だと思います。
配当を受け取りながら、その配当を再投資していく。
これを継続的に行っていくことで、雪だるま式に資産を増やしていくことが可能です。
(当然、途中で調整局面や暴落があることは心に留めながら)
VYMは初めて高配当株ETFを購入する人にとって最適なETFだと思います。
これから米国高配当株ETFを始めてみようという方の参考になれば幸いです。
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