米国の中央銀行的組織であるFRBは1月25日~26日に今年初となる米連邦公開市場委員会(FOMC)を開催しました。
今回はその内容と米国株の今後について考えます。
1月FOMCの内容
今回のFOMCでは声明文にて「政策金利の引き上げが近く適切になる」と明記され、次回の3月FOMCでの利上げ開始を示唆しました。
市場ではすでに今年4回の利上げ、合計1%の利上げ(1回あたり0.25%の利上げ)が概ね織り込み済みと考えられます。
しかし、FRBのパウエル議長は市場予想を上回る引き締めを実施する可能性を明確に否定しなかったことから、タカ派的に受け止められた可能性があります。
4回以上の利上げも
市場の大方の予想は今年4回から5回程度の利上げではないかというものですが、パウエル議長は残りの各会合で利上げを決定する可能性を排除しませんでした。
残り7回の各会合にて利上げが実施される可能性があります。
一度に0.5%引き上げる?
また、一部で囁かれている、0.25%の利上げではなく、0.5%引き上げるという点については明確に否定しませんでした。
3月に0.5%の大幅引き上げは今のところメインシナリオではないかもしれませんが、今後の動向次第では少しづつ織り込みが進むと考えられます。
明確な今後の動向への説明がない印象
FRBから今後のインフレ動向等について詳しい説明がないのも気がかりです。
FRBは市場の様子をうかがいながら、より慎重になっている可能性がありますが、利上げの回数や幅などの情報だけが錯綜し、市場の混乱を増長させているような気がします。
バランスシートの縮小
今回のFOMCでは利上げ開始後にバランスシートの縮小を開始するとしましたが、具体的な時期やペースの明言はありませんでした。
しかし、市場はこれまでにないペースでの資産の縮小に身構え始めています。
米国株の今後は
コロナショック以降の米国株はFRBの資産膨張と市中のマネー増加に支えられていた可能性が高く、株式市場にとってFRBのバランスシート縮小はネガティブに働くと考えられます。
しかしながら、資産規模の縮小のペースは比較的柔軟に調整可能だと思われるため、市場が暴落した場合はそのペースを落とす可能性もあるでしょう。
ただ、FRBの使命はあくまで雇用の最大化と物価の安定です。
30数年ぶりの高インフレという怪物と戦おうとしているわけですから過度な楽観は禁物です。
いずれにしても、FRBは非常に難しい舵取りを迫られれています。
今後のFRBの動向を注視していきましょう。
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