今回は日本の老後2,000万円問題や日本の年金制度に触れながら、老後の生活資金の作り方について考えてみたいと思います。
将来のお金への漠然とした不安ってありませんか?
- 年金って将来どうなっているんだろう?
- いくら貰えるんだろう?
- 老後のお金っていくら必要なんだろう?
あげればきりがないですよね。
正直に言って、その人の属性やライフプラン等によって老後の必要資金や年金の受給額は違ってくるので、画一的な結論を出すことはできません。
ただ、多くの方の漠然とした不安が少しでも晴れればいいと思い、記事を書いてみましたので、是非最後までご覧ください。
老後2,000万円問題
2019年に金融庁の金融審議会がまとめた報告書の中で、まとめた金額が多くのメディアで取り上げられ話題となりました。
報告書によれば高齢夫婦の平均的な世帯で毎月約5万5千円の不足が生じ、そのマイナスが30年間続くと仮定すると、約2,000万円の不足が生じるとの内容でした。
この報告書は2017年の家計の収支データを使用して算出しているため、2021年の現在とはだいぶ様相が異なりますが、
「そんなに必要なの?」
と驚かれた方も多いのではないでしょうか。
でも、ちょっと待ってください!
我々は数字に踊らされることなく、冷静に判断する必要があります。
この2000万円という金額。
これを仮に30年間で作るためには毎月いくらの積立が必要なのでしょうか?
①預金金利の場合
預金の金利は0.002%とします。
毎月必要な額は約5.5万円になります。
毎月の収入から5.5万円貯蓄や投資に回すのはちょっと厳しいですよね。
②投資信託の場合
利回りを4%と仮定します。
この場合、毎月必要な額は2.8万円になります。
より現実的な数字になりましたね。
30年という長い時間をかければ、毎月3万円弱の積立で老後2,000万円問題は簡単にクリアできるわけです。
当然、投資信託といった金融商品の場合、日々の値動きがあるので、右肩上がりで順調に増えていく局面ばかりではないと思います。
しかし、積立を使い、20年や30年といった長期で運用ができる場合、リスクとリターンのブレ幅はかなり小さくなりますから、積立投信で積立していくといった選択肢を取る方が賢明だと思います。
何歳でリタイアするか
んー難しい問題ですね。。。
いつ仕事を辞めるのかという一定のゴールがなければ、いつまでにいくら貯めればいいのかという金額も決められません。
その方のライフプランや人生設計に応じた、「期日」を決められればいいのかなと思っています。
最近は「FIRE」という言葉が話題ですし、早期に退職したい!と考えている方が増えている印象です。
個人的にはFIREした後に、どんな暮らしをしたいのか、どういう自分になりたいのかという考えがしっかり定まっていないとFIREを達成したとしても、あまり意味がないのかなと思います。
「仕事というものに縛られず、やりたいことをやって生きていく」というのがFIREの本質のような気がします。
結局のところ、
①退職後も必要となる生活資金を貯められた
②退職後も人生の目標がある
この2点が重要なのではないでしょうか。
そもそも、一口にFIREといっても、週2,3回働きながら生活するといったFIREもありますし、完全に仕事をしない生活だけを指しているわけではありません。
FIREについてはまた改めて触れたいと思います。
日本の年金制度
日本の年金制度は賦課方式といって現役世代の保険料で現在の高齢世代を支える形を取っています。
賦課方式は景気の変動に強く、インフレが起きたとしても、対応しやすいという利点があります。
仮に自分の年金を自分で貯める方式を取ると、インフレによる価値の目減りが起きれば受給する年金の削減が必要になってきます。
また、現在、年金の原資はGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)という組織によって運用されており、現在の運用資産額は191兆円にものぼります。
この約20年での累積収益額は100兆円です。
とてつもない金額ですよね。
公的年金の給付原資という性格上、安定的な運用が求められますが、国内債券、国内株式、外国債券、外国株式に各25%づつというポートフォリオで運用されており、長期と分散運用で着実に増やしているのです。
私たちの大事な大事な年金を管理するところも「運用」をしながら増やしているという事実です。
個人的には
「もはや、運用しないとまともにお金は増やせない。上がり下がりはあれど、長期・分散を守れば、着実にお金を増やすことができる」
ということを年金の原資という超重要でかつ巨額の資金を運用するGPIFが教えてくれている気がします。
最後に
1か月で100万円を倍にする!
これは至難の業です。
しかし、長い月日をかけて、着実に増やしていく!
これは誰しもが出来ることだと思います。
知識・経験・スキルがない私たちとって、唯一とも言える武器は「時間」です。
当面の生活費はきちんと確保しながら、支出を抑え、収入を増やし、運用に回す。
このサイクルを継続することで、時間をかけながら、少しづつ資産を増やしていきましょう。
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