皆さんは生活防衛費という言葉を聞いたことがありますか?
投資や資産運用を始めると耳にする機会があるのではないでしょうか。
そこで今回は
- そもそも生活防衛費とは何なのか?
- なぜ生活防衛費が必要なのか?
- そして一体いくら必要なのか?
そんな疑問を解決していこうと思います。
これから資産運用を始められる方も、もう既に始められている方も
是非、参考にしてみて下さい。
・生活防衛費とは何なのか?
生活防衛費なんて言葉、初めて聞きましたー!
そうですよね。私も少し前まで知りませんでした。
生活防衛費とは「日々の生活費の支出に備え、投資や運用に回さず、預金などに置いておくお金」のことです。
言い換えれば、今後、数か月から1年程度の生活のために必要となるお金を普通預金などに置いておくことです。
ここで言う、生活費とは家賃(または住宅ローン)、食費、通信費、水光熱費、交際費などがあたります。
この生活防衛費というベースがないまま、投資にお金を回してしまうのは危険です。
・なぜ生活防衛費が必要なのか
①急なトラブルに対応できる
・アパートの駐車場で車をぶつけてしまい、アパート側の修繕が必要になった。その費用として15万円が必要…
・冷蔵庫が急に壊れて、修理もしくは買い替える必要が出てきた。いずれにしても、数万円単位の費用がかかる…
・虫歯を放置し、気づいた頃には高額な治療が必要になっていた…
なかには保険が適用できるものもあると思いますが、
突発的なトラブルでお金が必要になることもあるでしょう。
そんな時に、すぐに手元に準備できるお金がないと困ってしまいます。
②今まで通りに働けなくなってしまったとき
病気やケガで今まで通り働けなくなった場合、当面の生活資金を工面しなければなりません。
投資信託や株には元本保証はないので、
価値は半分にだって、3分の1にだってなり得ます。(もちろん、商品によりけりですが)
ですから、もし、病気やケガでこれまで通り働けなくなってしまった場合、
日々の生活費を投資商品にだけ依存しているのは大変、危険です。
③暴落時の精神的な保険として
当面の生活資金が確保されていれば、どんなに大暴落しようと、とりあえず、これまで通り生活していくことができます。
もし、生活防衛費を準備せず、ほぼ全ての財産を資産運用に回し、その投資商品が大暴落した場合、どうでしょうか?
その人はその後、これまで通りの生活をしていくことが難しくなります。
こういった理由から
数か月間使うであろう日常のお金は安全なところに置いておこう!と考える必要があるんですね。
・生活防衛費は3か月から半年程度を目安に貯める
金額は家族の数によって異なりますが、一般的には3か月から半年程度を目安に確保しておくとよいでしょう。
仮に毎月の生活費が20万円の二人家族ならば、3か月分用意するとなると60万円が必要です。
半年であれば120万円ですね。
では、なぜ3か月から6か月なのでしょうか?
明確な回答は難しいですが、個人的には公的な保障が関係していると考えています。
会社員の場合、病気やケガで働けなくなり、失業したとしても、傷病手当金や失業給付金があります。
傷病手当金とは病気やケガで働けなくなった場合に、本人やその家族の生活を守るために支給されるお金のことです。
健康保険に加入している会社員であれば一定の条件を満たすことで受け取ることができます。
受給期間は最大1年6か月です。金額は平均月収の約3分の2です。
失業給付金とは雇用保険から支払われる給付金のことです。会社員が失業した場合に受け取れるお金ですね。
要は、働けなくなったとしても、会社を辞めてしまったとしても、一定程度は国が面倒を見てあげるよ!ということなんですね。
しかし、自己都合による退職は失業給付金の受給まで約3か月かかります。
この失業給付金受給までの期間が3か月なので、そこまでは、なんとか自力で生活できるように準備しましょう!
という考え方が生活防衛費を3か月以上は準備しましょうというアドバイスにつながっているのではないでしょうか。
・どんな形で準備しておくか
銀行の普通預金に預けておけばいいと思います。
タンス預金でもいいんじゃないの?
と考える方もいると思いますが、火事や盗難のリスクと銀行の倒産リスクを考えると、タンス預金の方がよっぽどリスキーです。
現在、普通預金金利は多くの金融機関で0.001%程度です。
そんななか、楽天銀行やあおぞら銀行は金利を高く設定しているのでおすすめです。
楽天銀行は普通預金金利が0.1%(※一定の条件あり)。あおぞら銀行は0.2%となっており、他の金融機関に比べ高く設定されています。
(2021年8月22日現在)
あおぞら銀行の場合、ゆうちょATMであれば入出金手数料無料で使えますし、楽天銀行もコンビニATMで24時間365日利用可能です。
いずれにしても、生活防衛費というお金は「すぐに使えるお金」という考え方をベースに成り立っているわけですから、
金利の面での比較+自分の使い勝手のよい金融機関に預けておく方がいいでしょう。
・まとめ
今回は生活防衛費の考え方についてまとめてみました。
もしもの場合、公的な保障や保険が支払われるまでは一定の時間がかかります。
それまでの費用として、生活防衛費は必ず必要です。
これから投資を始めようという方は、まず生活防衛費を確保し、
そのあと、少しずつ、無理のない範囲で投資を始めるようにしましょう。
すでに、投資を始められている方も、是非、今回の内容を参考に
改めて自身のポートフォリオについて考えてみて下さい。
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